伊達男の映画批評

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戦闘シーン多すぎ!「ジョン・ウィッグ:チャプター2」レビュー


今度は家かよ!『ジョン・ウィック:チャプター2』予告編

作品・出演者情報

監督

チャド・スタエルスキ

キャスト

個人的レビュー

前作ラストシーンからわずか5日後の設定で、今度はイタリアンマフィアから姉殺しの依頼を受けたジョン・ウィック。さすがに前作で懲りたのか、今回は依頼を断る。しかし、誓印のせいでマフィアの怒りを買い、今度は思い出の詰まった家をバズーカで木端微塵に爆破されてしまう。5日前に愛犬を殺され、次は家を爆破されたジョンは復讐を開始。命の危機を感じたマフィアに懸賞金をかけられ、全世界の殺し屋に狙われてしまうというストーリーだ。

今作では、前作にもまして戦闘シーンが多かった。冒頭からカーアクションとスタントで派手に決め、その後少しストーリー展開を挟んでまたすぐに戦闘シーン。120分のうち、半分以上は戦闘シーンなのではないだろうか。

もちろんそれぞれのシーンでキアヌ・リーブスがかっこいいアクションを見せてくれる。ただ、前作も今作も共通して言えるのは、なぜか足元を撃って取っ組み合いになってからヘッドショットを決めて相手を倒すことが多いところ。一発で仕留められるんじゃないか?と毎度疑問に思うのだけど、あれは何か理由があるのだろうか。

あと、今作ではストーリーが単純明快だったので、特にだれも感情に訴えるようなシーンがなかった。登場人物の誰一人として感情を持っていないかのような、冷たい印象を受けた。まあ、マフィアと殺し屋の世界だから当然なのかもしれないが。

ただ、殺しのプロとしての礼節を守っているのはカッコ良かった。武士道に通ずるテイストがあったのは、日本人の心にはグッとくるシーンだったかも。少なくとも私はかっこいいなと思った。

ただちょっとジョン・ウィックが強すぎる。前作と合わせて一人で何人殺したんや。笑

こういったガンアクション作品にパワーバランスを求めてはいけないのかもしれないが、敵が丁寧に一人ずつ出てきたり、とにかく背負い投げが多かったりと、さすがに弱すぎるだろ。あと、あんなに街のど真ん中で殺しをやってたら警察に追われるシーンもあっていいんじゃないのか。

……と、爽快なアクションシーンを求めすぎるあまり、色々と要素を省きすぎた作品のような感じがした。それが悪いということではないが、もう少し繊細にジョン・ウィックの心情を描いても良かったのではないかという気がする。

良かった点

良かった点はガンアクションが今回も秀逸だったところ。言い方は少し悪いが、ストーリーが単調だった分、アクションシーンは色々とこだわりがあって良かった。ただ序盤にマスタングがぶっ壊れたせいでほとんどカーアクションはなかったのが残念だ。2030年のクリスマスまでかかるとか言われてたけど、次回作では復活してるのかな?

残念だった点

残念だった点は、前作ほどのドラマチックさがなかったところ。前作は復讐に走る動機づけが強く印象に残る作りで、ジョンに感情移入がしやすかった。しかし、今作はほとんど説明なしにいきなり家をバズーカで破壊されてしまうため、ジョンの復讐心がどこからやってくるのかが少々わかりにくい。愛犬のブルドックも生きてるし。

例えば家での妻との思い出を回想シーンで入れて、思い出の品が粉々になっているシーンを入れてみたらわかりやすかったかもしれない。

前作では、愛犬が殺された床をジョンが拭くシーンがとても重要だった。あのシーンがあったからこそ、並々ならぬ復讐心に視聴者がついていけたのだ。今作もそういったシーンがあれば、見方が少し変わったのかなと思う。

終わりに

アクションシーンは流石のカッコよさだったが、個人的には少し物足りないストーリー展開だったと思う。もう少し作品の比重をストーリーに割いてほしかったというのが正直な感想だ。